1-2 事業建物用の借地として運用

使用していない土地は、税金を取られるだけでなく、場合によっては、草取りなどの管理する必要も出てくるという負の財産です。将来的に活用する予定が無いのであれば、売ってしまった方が良いのですが、先祖伝来の土地等で、すぐに売りたくない場合は活用してみるようにしましょう。

店舗や事務所を必要としている事業者に、土地を貸して、借地料を取ることを考えて見ましょう。
もし、建物が建築できない規制のある土地の場合は、他の運用方法を考えてみましょう。

資産運用1-3『ソーラーパネル用地の借地

事業用建物の借地として運用することのメリット

・初期投資が不要なので、借金する必要がありません。

・ランニングコストがほぼ掛かりません。

・借地は一般的に長期間なので、長期的に安定した収入が見込めます。

・居住用の借地よりも、事業用の借地の方が高い地代を設定することが出来ます。

・土地の評価が下がる為、相続税対策になります。

事業用建物の借地として運用することのデメリット

・自ら建物を建ててから、賃貸することに比べると、利回りが低くなります。

・資産の流動性が減ります。急に土地を売りたいと考えても、借地人を自由に退去させられるわけではありません。どうしても売らなければならない場合、借地人がいる状態での売買(いわゆる底地売買)となるため、更地評価の5割以下でしか売却できない可能性が高くなります。

・契約関係を管理(地代の入金状況、地代の値上げ・値下げ等)していかなければなりません。

・土地の分割や、処分(売却)が難しいので、相続の時に面倒になります。

事業用で利用できる借地契約の種類

普通借地契約
契約期間 30年以上
賃借人の意思による解約 ・期間満了時に更新請求しない時。
・賃貸借契約書の解約条項に基づいて。
・賃貸人との合意。
賃貸人の意思による解約 ・期間満了時に、賃借人が更新請求した時でも、正当事由が認められれば解約できる。
・賃借人との合意。(賃貸借契約書に賃貸人からの解約の特約があったとしても、賃借人が争った場合、当該特約は無効となります。)
更新後の期間 ・一回目の更新後は20年以上。二回目からは10年以上。
特徴 ・普通の借地契約です。
・賃借人が借り続けたい場合、期間が到来しても、土地を返してもらえない可能性が高いです。
・賃借人に建物買取請求権があります。
一般定期借地契約
契約期間 50年以上
賃借人の意思による解約 ・期間満了時。
・賃貸借契約書の解約条項に基づいて。
・賃貸人との合意。
賃貸人の意思による解約 ・期間満了時。
・賃借人との合意。(賃貸借契約書に賃貸人からの解約の特約があったとしても、実際の解約時に賃借人が争った場合、当該特約は無効となります。)
更新後の期間 ・更新はありません。再契約は可能です。
特徴 ・事業用だけでなく、一般居住用でも使用可能な契約です。
・賃借人に建物買取請求権がありません。
事業用定期借地契約
契約期間 10年以上50年未満
賃借人の意思による解約 ・期間満了時。
・賃貸借契約書の解約条項に基づいて。
・賃貸人との合意。
賃貸人の意思による解約 ・期間満了時。
・賃借人との合意。(賃貸借契約書に賃貸人からの解約の特約があったとしても、実際の解約時に賃借人が争った場合、当該特約は無効となります。)
更新後の期間 ・更新はありません。再契約は可能です。
特徴 ・事業用にだけしか使えない契約です。
・公正証書を作る必要があります。
・一般定期借地よりも、短い期間の設定が可能です。
・賃借人に建物買取請求権がありません。

賃貸の基礎知識1-3『普通借地契約とは

賃貸の基礎知識1-4『定期借地契約とは

その他

立地条件、土地の面積、用途地域などが適切であれば、事業建物用の借地としての需要はあると思います。
ただし、賃借人の業種によっては、近隣に迷惑を掛ける可能性もありますので、業種については良く審査する必要があります。

また、相手が企業である分、自らに有利な内容での契約を締結しようとする可能性もあります。賃貸借契約を締結する前に、契約内容をよく精査する必要があります。

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