1-8 不動産購入時の注意点

不動産を購入する上で、一般的な注意点を例示してみます。重要事項説明書に記載のあることが多いですが、分からない場合は仲介業者の担当者に確認してみましょう。

注意点

土地購入時の注意点

道路関連のこと

土地を購入する上で道路は非常に重要であり、トラブルが起きやすくなっています。

「公道か、私道か」私道の場合は利用に制限がつく可能性がありますので、確認が必要です。売買対象に私道の持ち分が含まれているかどうかも重要になります。

「幅員や角度」車の乗り入れに問題がないかどうか。段差などが無いかどうか。

「水道管やガス管の設置状況」敷地の前面道路まで公設管が来ているかどうか。道路幅員が広い場合、対面側に近い場所に埋まっているのか、敷地に近い場所に埋まっているのかで、工事費用が変わってきます。

隣地との境界に関すること

隣地との境界については、売主が引渡し時までに明示することが多いですが、それでもトラブルがないわけではありません。

「隣地との境にある壁の所有者」壁が昔から存在する場合、どちらのものか分からなくなっている場合があり、トラブルに繋がることがあります。また、取り壊しについて隣地と売主の間で合意書などが取り交わされていることもあります。

「越境の有無」土地の一部について越境している場合、逆に越境されている場合、引渡し時までに売主側で解決して売却するケースと、隣地との覚書でトラブル解決を先送りしているケースがあります。覚書は買主に引き継がれますので内容を把握しておく必要があります。

埋設物、土壌汚染等に関すること

「埋設物、土壌汚染等の取り決め」土地の売買の場合、地中に埋設物が埋まっている可能性があります。土壌汚染は少ないですが、前の利用状況次第では土壌汚染があることもあります。事前に調査して埋設物や土壌汚染が無いことを確認した上で売買するのか、売買した後、埋設物が発見された時に売主が対処するのか(契約不適合責任の特約)、それとも売主は責任を取らずに全て買主責任として処理するのか、重要な取り決めとなります。

水道管や下水管に関すること

水道管や、下水管が他人の土地を経由していないかどうか。私設管がある場合は、その管理方法や、管理費用について。引き込みの水道の口径が十分かどうか(家の大きさや、水をどれだけ使うかで変わる)。浄化槽を使っている場合は、下水への切り替え費用が掛かるかもしれません。

中古住宅(マンション)購入時の注意点

建物の瑕疵・劣化に関すること

中古住宅(マンション)を購入する上で一番多いトラブルは、やはり建物の瑕疵(雨漏り、白アリ、水漏れ、傾斜、傷等)ということになると思います。

「瑕疵に関する取り決め」買主が告知を受けていない雨漏り等の瑕疵が、売買契約後に発見された場合、売主がどのような責任を取るのかの取り決め(契約不適合責任の特約)が重要です。契約上は売主の責任を免責する特約も可能であり、その場合、売主が故意に告知しなかった契約不適合を除き、買主は責任追及することが出来なくなります。
また、瑕疵が自然損耗や経年劣化と考えられる場合は、契約不適合に該当しないと判断される可能性があります。
そのため、予期せぬ出費を防ぐためには、契約前の内覧が非常に重要になります。

売主が居住中で事前に内覧出来ないというケースもありますが、その場合でも、決済直前には引っ越しているでしょうから、売買代金を全額払う前に一度確認した方が良いでしょう。

税金に関すること

「税の優遇制度」税金の優遇制度を使おうと思っていたら、要件に合致せず使えなかったというトラブルがあります。仲介業者は税金の専門家ではないため間違う可能性もゼロではありません。念のため、税務署などの相談を受けた方が固いでしょう。

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