2-4 買った土地から井戸が発見された。売主や仲介業者に責任追及できるか?

Q【買主】

買主です。

マイホームを建てるために古家付の土地を購入しました。解体業者に古家を取り壊してもらったところ、敷地の中に井戸が存在することが分かりました。土地の中に井戸があるというのは、何か出てきそうで気分的に良くないですし、地耐力の問題など、建築の支障になるかもしれません。

売主や仲介業者からは、井戸について何も説明を受けていません。

売買契約の解除や、解除が出来ないとしても、売主や仲介業者に何らかの責任を追及することは出来るのでしょうか?

井戸
A

井戸の存在が、心理的瑕疵(契約不適合)に当たるかどうかについては過去の判例が見当たりませんので、今のところ、物理的瑕疵(契約不適合)に当たるかどうかで判断するしかないと思います。物理的瑕疵とは、水が噴き出してくるとか、井戸の残存物が建築の支障になる等です。

以下は、井戸が物理的瑕疵に該当する場合の考え方です。

売主への責任追及は可能か?

売主が井戸の存在を知らなかった場合、契約不適合責任に基づいて、井戸の撤去工事や、建物の建築に支障が出ないようにするための工事などの修補請求等が認められるものと考えられます。しかし、売主の契約不適合責任が売買契約書で免責されている場合は、請求は認められません。

売主が井戸の存在や、井戸が建築に支障を与える可能性を知っていながら敢えて告知をしなかった場合、売主には告知義務違反が認められる可能性があります。告知義務違反が認められた場合、不法行為責任として、井戸の撤去費など、建物の建築に支障が出ないようにするための費用の損害賠償請求が認められるものと考えられます。

また、契約不適合責任を免責する特約は、売主が知りて告げざりし事柄については無効になりますので、契約不適合責任に基づいての責任追及も認められる可能性があります。

仲介業者への責任追及は可能か?

仲介業者が通常の注意を払っていたら井戸の存在に気がつけたということならば、仲介業者には説明義務がありますので、説明義務違反を問うことが可能であると考えられます。

地面を掘り起こさなければ分からないという類のものであったのであれば、仲介業者ににそこまでの義務はありませんので、責任を問うことは出来ません。

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東京地裁H21.2.6 地中の井戸が瑕疵に当たるとして損害賠償が認められた事例
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