1-8 売買契約をクーリングオフで解約出来ますか?

Q【買主】

土地の買主です。

先日、売主である宅建業者と、土地の売買契約を締結して、手付金を支払いましたが、理由があって購入するのを取りやめたいと思っています。

クーリングオフをすれば、支払った手付金を返還してもらえると聞きましたが、クーリングオフは出来ますか?

また、どのような手続きを取ったら良いのでしょうか?

クーリングオフ
A

クーリングオフが出来るかどうか?

不動産売買のクーリングオフについては、宅建業法37条の2に規定があります。

「売主が宅建業者であること」

「買主が宅建業者でないこと」

「事務所等以外の場所で買い受けの申込をしていること」

「売主業者からクーリングオフの説明を聞いて8日が経過していないこと」

「決済が終わっていないこと」

 等の要件に合致する場合は、クーリングオフを申し出ることが可能です。一つでも要件に合致しない場合は、クーリングオフは出来ません。

売買の基礎知識5-1『不動産売買契約のクーリングオフ

クーリングオフが出来ない事務所等に該当する場所

①売主業者、媒介業者、代理業者の事務所

②宅地建物取引業法施行規則第15条の5の2で規定されている事務所以外で、専任の宅地建物取引士を置くべき場所のうち「継続的に業務を行なう施設を有する場所」「10区画以上の一団の宅地又は10戸以上の一団の建物の分譲を行う案内所で土地に定着しているもの」「宅地建物取引業者が展示会その他の催しをする場所」媒介業者、代理業者が設置するものも含む。

③買主が申し出た場合の、買主の自宅・勤務先となっています。

なお、買主からの要望があっても、喫茶店等は、事務所等に該当しません。

クーリングオフの方法

クーリングオフの通知は必ず書面で行う必要があります。書面であれば制限はないのですが、後で通知したことの証拠になるように、配達証明付き内容証明郵便でするのが一般的です。

クーリングオフの効果は書面を発した時、つまり内容証明郵便を出した時に生じます。通常、意思表示は、相手方に到達した時に効力が生じるのが原則ですが、売主である宅建業者が居留守を使ったり、郵便事情で到達が遅れたりする場合も考えられるので、買主保護の観点からクーリングオフについては、発信主義がとられています。

クーリングオフの効果

クーリングオフは、無条件の撤回・解除です。売主である宅建業者は、それまでに受け取っていた手付金やその他の金銭をすみやかに返還しなければなりませんし、損害賠償や違約金の支払いを請求することもできません。

また、宅建業法の規定に反する特約は、当事者の合意があったとしても、無効な特約となります。

宅建業法の規定

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