2-5 買った土地の地中から水が湧き出てくる。この湧水について、売主や仲介業者に責任追及できるか?

Q【買主】

買主です。

マイホームを建てるために土地を購入しました。ハウスメーカーに依頼して、建築作業に取り掛かったところ、「地中から水が湧き出してきて、地盤が水溜りのようになってしまっている」と言われました。
このままでは当初の予定で建築が出来そうにありません。

仲介業者に確認してみましたが、売主も仲介業者も湧水については知らなかったとのことで、おそらくは本当のことだと思います。

湧水は自然のものだと思いますが、瑕疵担保責任に当たらないのでしょうか? 売主や仲介業者の責任を追及することは出来ますか?

湧水
A

地中からの湧水が契約不適合に当たるのか?

「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない」と判断される場合、契約不適合に該当することになります。

家の建築を目的とした土地の購入契約の場合、建物の建築(基礎設置等)に支障が出る程度に湧水がある場合には、契約不適合に該当すると判断される可能性が高くなりますし、建築に全く支障が出ないようであれば、契約不適合に該当しないと判断される可能性が高くなります。

ただし、湧水が良く起こっている地域であれば、事前に想定できたと判断されることもありますし、地価にも反映されているでしょうから、契約不適合に該当しないと判断される可能性があります。

売主への責任追及は可能か?

湧水が契約不適合に該当すると認められる場合において、売主がもし当該湧水のことを知りながら、買主にも仲介業者にも告知をしなかった場合は、売主に告知義務違反が認められますので、不法行為責任として、湧水を上手く処理する為の工事費用等を損害賠償として請求することが出来ると考えられます。

湧水が契約不適合に該当すると認められる場合において、売主が湧水のことを知らなかった場合、告知義務違反は問えませんが、契約不適合責任として、湧水を上手く処理する為の工事等の修補請求を行うことが出来ます。
ただし、売主の契約不適合責任が売買契約書で免責されている場合には、契約不適合責任に基づく請求は認められません。

仲介業者への責任追及は可能か?

湧水が契約不適合に該当すると認められる場合において、仲介業者が通常の注意を払っていたら、売買契約前に湧水の存在に気がつけたということならば、仲介業者には調査説明義務があると考えられますので、説明義務違反を問うことが出来る可能があります。

引渡しが終了してから、湧水が起こったということであれば、仲介業者は知りようもありませんので、責任追及は難しいと考えられます。

不動産適正取引推進機構のHPへ
名古屋地裁 H25.4.26 地下0.5mからの湧水が土地の瑕疵に当たると判断された事例
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