3-10 税金控除についての説明を仲介業者から受けていない。

Q【買主】

買主です。

昨年、中古住宅を購入しました。住宅ローン減税が受けられると思っていましたが、木造で築20年以上経ってしまっているということ、耐震基準に適合していることの確認が出来ない住宅であることから、住宅ローン減税の適用要件を満たしていないことが判明しました。

仲介業者の担当者からは、住宅ローン減税の適用が受けられないという説明がありませんでしたが、これは説明義務違反に当たるのではないでしょうか?

 参考:住宅ローン減税制度の概要|国土交通省

清算金
A

仲介業者に、税金のことについての説明義務があるか?

仲介業者は税金に関しては専門家ではないため、宅建業法上は税金についての説明が義務付けられていません。(過去の判例も同様) そのため、住宅ローン減税の適用が受けられないという説明が無かっただけでは、説明義務違反とはならないと考えられます。

ただし、仲介業者には、善良な管理者としての注意義務や信義則があります。
買主が「住宅ローン減税を利用出来るのが前提で購入します」等を仲介業者に告げており、仲介業者がそのことを十分に知っていた場合、または買主が仲介業者に住宅ローン減税の適用が受けられるかを尋ねて、仲介業者から「ローン減税が受けられますよ」等の間違った回答を受けている場合は、仲介業者の責任を追及できる可能性が出てきます。

実務上の話

税金についての仲介業者の説明は、口頭の説明であることが多いというのがネックになります。
誤った説明を受けたことを客観的に証明することが出来ませんので、仲介業者自らが誤った説明をしてしまったと認めない限り、責任追求は難しいと考えられます。

不動産適正取引推進機構のHPへ
大阪地裁H10.11.26 租税特別措置の誤った説明をし、業者の責任が認められた事例
不動産流通推薦センターのHPへ
2017年4月掲載 不動産売買の媒介業者が、取引の相手方に、誤った税法の特例を説明した場合、媒介業者はどのような責任が生じるのか
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