7-7 賃貸物件でトラブルが発生したので、仲介業者に連絡をしたが何もしれてくれない

Q【賃借人】

賃貸アパートを借りました。

入居後、1年くらい経った時、部屋の一部で雨漏りが発生したため、仲介業者に連絡をしました。仲介業者は「大家さんに連絡を取ってみます」とは言ってくれましたが、部屋の様子を見に来てくれるわけではなく、工事業者を手配してくれるわけでもありません。

そのまま数日が経過しましたが、未だに連絡がありませんので、大家さんにしっかり事情が伝わっているのかさえも不明です。

仲介手数料もしっかり支払っていますので、仲介業者には、もっと連絡を密にしたり、積極的に動く義務があるのではないのでしょうか?

仲介業者の義務
A

賃貸借契約後のトラブル発生に対する仲介業者の義務

仲介業者の業務は、賃貸借契約締結前に、賃借人に物件の現地案内をすることや、重要事項説明書で利用制限などの規制を説明すること、また、賃貸人、賃借人間の契約条件をまとめて、賃貸借契約書を作成すること等です。

恙なく賃貸借契約が成立したら、そこで仲介業務は終了となり、その後に発生したトラブルに対応することは、仲介業者の業務(義務)であるとは言えません。

 ※仲介業者の重要事項説明の内容が間違っていたことに起因するトラブルの場合は別です。

仲介手数料は、賃貸借契約成立までの業務に対する報酬となりますので、やはり仲介業者が賃貸借契約後に発生したトラブルに対して動く義務はないと言えます。

実務上の話

仲介業者に動く義務がないとはいえ、大抵の仲介業者であれば、賃貸人または管理業者に連絡を取ることはしてくれます。

そこで解決出来れば何も問題はないのですが、仲介業者が積極的に動かないという理由で進展が見られない場合、賃借人としては直接、賃貸人または管理業者と交渉した方が良いと考えられます。

仲介業者に動く義務がありませんが、賃貸人または管理業者にはトラブルを解決する義務があるからです。

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