5-3 駐車場料金の値下げを請求したい。

Q【賃借人】

駐車場の借主です。

数年前から、駐車場を借りていますが、近隣の駐車場よりも賃料が、かなり高いことが分かりました。借地借家法11条に家賃の減額請求について規定がありますので、その規定に基づいて賃料の値下げ請求をすることが出来るでしょうか?

値下げ
A

借地借家法の適用を受ける賃貸借契約の場合、賃借人は借地借家法第11条を根拠として、賃料の値下げを請求することが出来ますが、駐車場の賃貸借契約は、建物の所有を目的としていないため、借地借家法の適用を受けません。

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そのため、駐車場の賃貸借契約では、借地借家法11条に基づく賃料の減額請求は認められません。賃貸人との話し合いで賃料の値下げを合意してもらえれば、賃料を値下げしてもらうことは可能ですが、賃貸人が値下げに応じてくれない場合は、当初の契約書で定められたとおりの賃料を支払う必要があります。

参考: ゴルフ場の賃貸借で借地借家法11条が適用出来るかどうか争った事例。

 最高裁H25.1.22
「借地借家法は、建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権に関し特別の定めをするものであり、借地権を「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権」と定義しており、同法の借地に関する規定は、建物の保護に配慮して、建物の所有を目的とする土地の利用関係を長期にわたって安定的に維持するために設けられたものと解される。
同法11条の規定も、単に長期にわたる土地の利用関係における事情の変更に対応することを可能にするというものではなく、上記の趣旨により土地の利用に制約を受ける借地権設定者に地代等を変更する権利を与え、また、これに対応した権利を借地権者に与えるとともに、裁判確定までの当事者間の権利関係の安定を図ろうとするもので、これを建物の所有を目的としない地上権設定契約又は賃貸借契約について安易に類推適用すべきものではない。
本件契約においては、ゴルフ場経営を目的とすることが定められているにすぎないし、また、本件土地が建物の所有と関連するような態様で使用されていることもうかがわれないから、本件契約につき借地借家法11条の類推適用をする余地はないというべきである」

借地借家法の規定

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