3-9 賃貸物件の給湯器の故障

Q【賃借人】

賃貸マンションの借主です。

数年間借りていましたが、今回、備え付けの給湯器が故障してしまいました。
賃貸借契約書には、給湯器の修理については何も記載がありませんが、貸主に修繕してもらうことは出来るのでしょうか?

また、給湯器の修繕や取替えに時間が掛かる場合、その間はお風呂に入ることも出来ませんので、銭湯等を利用しなければなりません。その分、家賃を減額してもらうことは出来るのでしょうか?

給湯
A

故障した給湯器を修繕するのは誰か?

給湯器の故障については、原則として、賃貸人に修繕または交換してもらうことが出来ます。給湯器は賃貸借物件を構成するものであり、賃料の内に含まれていると考えられるからです。(民法606条

ただし、賃貸借契約書の中に給湯器の修繕を借主負担とする旨の特約がある場合は、当該特約が無効と判断されない限り、賃借人の方で修繕する必要があります。

賃貸人に修繕のことを伝えた後でも、賃貸人が修繕をしてくれない場合、賃借人は自ら修繕することが出来ます。(民法607条の2
修繕に要した費用について、改正民法608条に基づき、賃借人は、賃貸人に請求することが出来ます。

給湯器の故障中、家賃を減額してもらうことが出来るのか?

家賃については、多少の不便があったとしても、原則として支払う必要がありますが、給湯器が使えない期間等によって生活に支障が出る場合は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額されます。(民法611条

もっとも、自己判断で減額した家賃を振り込んでしまうと、滞納扱いになったり、トラブル拡大の元になりますので、まずは賃貸人と話をしてみて、どの程度減額してくれるのか合意が取れてから、振り込み額を変更する必要があると考えられます。

民法の規定

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