7-4 水漏れで階下の人に損害を与えた場合の損害賠償

Q【賃借人】

借主です。

お風呂のお湯を止め忘れたまま眠ってしまったところ、排水管から水が溢れ、部屋が水浸しになってしまいました。

下の階の部屋にも水が漏れてしまい、大家さんから、床の張替えと、下の階の部屋の天井の張替えを要求されました。
また、下の階の部屋の人からも、「家電に水が掛かって壊れたので弁償して欲しい」と言われました。

いずれの請求もかなり高額になります。わざとやったわけではないのですが、支払わなければなりませんか?

水漏れ
A

民法709条に、過失によって、他人に損害を与えた場合の損害賠償義務が定められています。また、損害賠償の額については民法416条の規定が類推適用されますので、通常発生する損害の範囲については、基本的には支払う義務があると考えられます。

賃貸人からの損害賠償請求への対応

まず、賃貸人に対する損害賠償については、漏水の発生により、床や壁、天井がダメになってしまった場合、張替えるための費用は通常発生する損害の範囲だと考えられますので、支払う必要があります。ただし、場合によっては、大家の保険で対応してくれるケースもありますので、謝罪をした上で良く話し合いましょう。もちろん自らが加入している保険の適用が受けられるかどうかも検討してください。

下の部屋の賃借人からの損害賠償請求への対応

下の階の部屋の方に対する損害賠償については、テレビや、電子レンジ等の家電が水漏れで壊れてしまった場合、やはり通常発生する損害の範囲だと考えられますので、支払う必要があるでしょう。

損害賠償の額としては、壊れた家電と同等の性能や品質の物を買い直せる費用ということになります。しかし、同等に経年劣化をした中古品などそうそう手に入りませんので、経年劣化を考慮した金銭の賠償をするということが一般的です。

購入されてから間もない段階の家電を壊してしまった場合は、迷惑料も込みで、新品が購入できる金額を賠償しても良いと思います。もちろん、自分の保険が使えるか検討してみましょう。

改正民法の規定

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