1-9 位置指定道路の所有者から通行するなと言われた

Q

私の自宅は、公道と、位置指定道路(共有持ち分なし)に接していますが、先日、位置指定道路の所有者から「今後、位置指定道路を通行することは許可しない」と言われました。通行止めも考えているようです。

位置指定道路は市に認定されている道路なので、建築確認も取得可能と聞いていますし、登記地目も公衆用道路となっているのですから、公道と同じように使えると思っていましたた。

所有者だからと言って、通行を禁止することなんて出来るのでしょうか?
横暴ではないでしょうか?

通行止め
A

位置指定道路については、所有者といえども、建築基準法の道路として認定されていますので、完全に通行禁止にすることは出来ないと考えられています。ただし、私道であることには違いないため、自動車等の車両の通行制限などは、裁判上でも認められる可能性があります。

<東京地裁H23.6.29>

 「位置指定道路は私道ではあるが、その所有者以外の第三者を含む一般公衆の通行を許容する性質を有しているものであるから、公衆の通行・立ち入りを全面的に禁止したり阻害したりすることはできない。しかし、あくまで私道であるから、その所有者は当該道路に対する維持・管理権を有し、前記の位置指定道路の趣旨等、法令の規定に反しない限り、当該道路の保全と関係権利者の居住の安寧のため、当該道路の利用を自治的に定めることができ、当該道路を利用する一般公衆もその定めによる利用制限に服するものというべきである」

と判示されており、徒歩や自転車の通行については容認されましたが、自動車による通行は認められませんでした。

なお、地目が公衆用道路になっていたとしても、公道と同じように使用出来るとは言えません。

売買の基礎知識5-4『公衆用道路と公道の違い

不動産適正取引推進機構のHPへ
東京地裁H23.6.29 位置指定道路の利用の制限
不動産流通推進センターのHPへ
2007年3月掲載 位置指定道路の通行権
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