1-2 隣の住人から、窓に目隠しをつけて欲しいと言われた
念願の新築住宅を建てて住み始めたところ、隣の住人から「家を覗かれている気がするので、こちらに向いている窓に目隠しをして欲しい」との要請を受けました。
隣家を覗くつもりはないのですが、窓に目隠しをした場合には景色が見えなくなりますので、出来るならば目隠しをしたくありません。
法律の規定はどうなっているのでしょうか? 隣家からの要請に従う必要はあるのでしょうか?
法律的な見地
窓のついている位置が隣地との境界より1m未満(家の外壁との距離が1m未満ではありません)であり、かつ、隣の宅地を見通すことが出来る場合、隣地住人からの請求を受けたら、民法235条の規定により、窓に目隠しをつける必要があります。窓がついていなくてもベランダ等から、隣地を見通せる場合も同じです。
請求を無視していて、隣地住人から裁判を起こされた場合、和解に持ち込まない限りは負けてしまう確率が濃厚のようです。
この法律は先に家を建てていたから大丈夫というものではありませんので、後から引っ越してきた隣人に、窓の目隠しを要請される可能性もあります。そのため、自らが家を建築する時に、隣地に家が建っていなかったとしても、将来的には隣地にも家が出来ることを考慮して、窓の配置をしておいた方がトラブルを回避しやすくなります。
※隣地住人からの請求がなければ、目隠しをつける必要はありません。
※地域の慣習があれば、それが優先します。
※隣地が事務所や店舗の場合、目隠しは必要ありません。
※隣人からの目隠し請求が権利の濫用になると判断される場合は、目隠しをしなくて済む場合もあります。
法律に適合する目隠しとは
目隠しとは、「カーテン」、「ブラインド」、「曇りガラス(はめ殺し窓の場合は可)」などの簡易的なものでは不十分だとされており、取り外しが出来ないものが原則になりますので、目隠しをつけた窓からの景色は将来的に諦めることになります。
さいたま地裁H20.1.30 | 隣地者が互いに目隠しを請求 |
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東京地裁H19.6.18 | サービスバルコニーに目隠し請求が認められた事例 |
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神戸地裁H11.3.30 | 新築マンションの目隠し設置義務 |