1-1 不動産購入の流れ(手順)

不動産を購入する流れを知っておくことは重要です

不動産を購入する時には、その流れや手順を、あらかじめ頭に入れておくに限ります。

流れを理解して、事前準備をしながら取引に臨んだ方がスムーズになりますし、トラブルも少なくなります。仲介業者の担当者が取引の流れを説明をしてくれるとは思いますが、中には頼りにならない人もいますし、説明が不足気味の人もいますので頼り過ぎは禁物です。

なお、以下の取引の流れは、絶対的なものではなく、ケースによっては省略できたり、前後することもあります。

段階

(1)希望する条件を整理する

一戸建てを購入するのか、マンションを購入するのか。

新築にするのか、中古にするのか。

それ以外にも、「絶対に譲れない条件」と、「妥協しても構わない条件」を明確にしておく必要があります。

予算が潤沢にあるのならば、妥協する必要はありませんが、そんな人はほぼ存在しないと言っても良いでしょう。大抵の人は限られた予算の中で望む条件を取捨選択することになります。希望条件を整理しないまま先に進めてしまうと、宅建業者のセールストークや拒めない状況というものに流されて、後悔するものを購入してしまう可能性が高くなります。

矢印

(2)予算を決める

家族の人数等で変わりますが、ローンの返済額は税込年収の20%~25%くらいが安全と言われています。年収400万円だと2,500万円くらいです。

また、予備費として生活費の6か月分程度を確保しておきたいところです。不動産取引ではトラブルによって予期せぬ出費が生じることも多々ありますので、カツカツで試算を組むのは危険が大きいと言わざるを得ません。

売買契約の基礎知識1-2『不動産を購入する時にかかる費用

矢印

(3)物件情報を集めよう

いきなり、宅建業者(不動産屋)の店舗を訪れても良いのですが、まずはインターネットの不動産情報サイトなどで調査しておき、相場感を養っておくようにしましょう。稀にですが、ぼったくりのようなものを売りつけられることもあります。

売買契約の基礎知識1-3『良い不動産の探し方

矢印

(4)現地見学(内覧)

現地見学(内覧)は必ず実施するべきです。

物件の近隣に騒音を出す工場や、臭気を発する施設、大きな道路がある場合などは、雨の日、夜など、違う条件の日に見てみることも大事です。仲介業者が知らないこともあります。

中古の建物を購入する場合は、内観だけでなく外観も良く確認しておきましょう。傷等があった場合、契約前であれば、交渉によって売主が修繕してくれることもありますし、値下げ交渉も可能ですが、契約後になってしまった場合、それらが出来なくなる可能性があります。

矢印

(5)買付証明書の提出

買付証明書は物件を購入するという意思表示です。どこの仲介業者でも大抵はすぐに求められます。
売買契約と違って、相手方との合意がなく、一方的な申し込みに過ぎませんのでキャンセルすることも可能です。キャンセルにあたって違約金等は発生しませんし、申込金などを支払っていた場合も返金を受けることが出来ます。

ただし、購入する気がないのに提出するものではありませんので、トラブルに巻き込まれないよう、良く考えてから提出するようにしましょう。

売買契約の基礎知識1-5『買付証明書と、その効力

矢印

(6)住宅ローンの仮審査を申し込む

仮審査で、どの程度の借り入れが可能なのか把握しておきます。

矢印

(7)重要事項説明を受けて、不動産売買契約を結ぶ

不動産取引には「重要事項説明書」と「売買契約書」という重要な書類があります。もし可能であれば、数日前に書面の案(本書と同じ内容)をもらって、しっかりと内容を理解しておくことが望ましいです。

宅建業者に依頼すれば、書面案をいただけると思いますが、中には契約締結の直前でなければ渡せないという業者もいます。その場合でも、署名押印する前に必ず理解出来るまで読みましょう。署名捺印した後で「そんなつもりはなかった」「素人だから理解出来なかった」と言っても通りません。

売買契約の基礎知識1-7『売買契約における重要事項説明書

売買契約の基礎知識1-8『売買契約書の役割とは?(買主)

矢印

(8)住宅ローンの本審査を申し込む

仮審査が通っていても、本審査で落とされる可能性があります。もしもローンが通らなかった場合、通常は、「ローン特約」により、白紙解約を主張することが出来ます。

売買契約の基礎知識1-9『住宅ローンの申込み

売買契約の基礎知識4-3『売買契約書の内容「ローン特約(融資特約)」

矢印

(9)残金決済、不動産の引渡しを受けて引越し

残金を支払い、清算金があれば精算した後、移転登記に必要な書類等を貰います。

引っ越し

売買契約の基礎知識1-10『決済と引渡し

矢印

(10)諸手続き

『転入届け』『電気、ガス』『インターネット関連』『銀行関連の住所変更』『国民健康保険の住所変更』『マイナンバーの住所変更』『児童手当や母子手帳の変更』『自動車の登録変更、免許の住所変更』『郵便局へ転送届け』等。決済日に引っ越す場合は、事前にやっておくものもあります。

売買契約の基礎知識2-1『不動産売却の流れ

inserted by FC2 system