2-1 不動産売却の流れ
不動産を売却する時の基本的な流れを、ある程度頭に入れておかないと、思っていたように取引が進まずにストレスになることもあります。
余程しっかりとした丁寧な仲介業者に当たれば、お任せでも問題はありませんが、そうとばかりは限りませんので出来るだけ自分でも気をつけるようにしましょう。
(1)資金計画を立てる。
不動産を売却する理由は様々ですが、どのくらいの経費が必要で、最終的にどれくらいのお金が手元に残るのか、必ず試算しておくようにしましょう。算定が甘いまま、仲介業者に言われるままに物件価格の値下げに応じてしまうと、もともと価格の高くない中古物件や土地の場合、結果的に殆ど手元にお金が残らないということもありえます。
また、税金のことも検討しましょう。本来、受けられる筈の控除が、売却の仕方によっては受けられなくなることもあります。
売買の基礎知識2-2『不動産を売却する時にかかる費用』
(2)不動産業者を選ぶ。
購入の場合と異なり、売却の場合は自らの意思で不動産業者を選ぶことになります。ホームページを見たり、担当者と直接話してみて、信頼のおける業者を探しましょう。
売買の基礎知識2-4『良い宅建業者(不動産会社)の選び方』
(3)売却価格を試算してもらう。
不動産の売却依頼をすると、宅建業者が物件価格を査定してくれます。
一つの業者で不安がある時は、複数の業者に声を掛けて見てもらうこともできます。更に正確に算出してもらいたい時は、不動産鑑定士に依頼するという手もありますが、その場合は数十万円の費用が掛かると思ってください。
売買の基礎知識2-3『自分の不動産の価格を調べる』
(4)媒介契約を締結する。
媒介契約には一般媒介、専任媒介、専属専任媒介があります。いずれも書面という形で締結され、中には物件所在地、売却成功時の媒介報酬の額、その他の取り決め事が定められています。
媒介契約の締結を言い出さない不動産業者もいますが、法律的には媒介依頼を受けた時点で、媒介契約書を交付することになっています。
売買の基礎知識2-5『宅建業者(不動産会社)への不動産売却の媒介依頼』
(5)不動産を売りに出す(広告をする)。
基本的には仲介業者がやってくれますので任せます。媒介契約が、専任媒介、専属専任媒介の場合は、一定期間で広告の成果等の報告があります。
(6)不動産売買契約を結ぶ。
売買契約は、売主と買主の間の取り決めが書かれています。
基本的な条項はもちろん、中古住宅の場合、家の中の物品の何を置いていって、何を転居先に持っていくか、きちんと取り決めておいた方が良いでしょう。
契約不適合責任の特約がついていると、決済後も責任を負う可能性がありますので、特約内容については把握しておく必要があります。
売買の基礎知識2-9『不動産売買契約書の役割とは?』
(7)引渡し準備をする。
定めた期日までに引き渡せるようにします。ゴミ等を残してはいけません。残して良い物か、残して悪い物か分からない場合は、仲介業者に相談してみましょう。
(8)残金決済、不動産の引渡し。
期間を必ず守るようにします。守らない場合は、お咎めなしになる場合もありますが、遅れた期間に応じて、余分に掛かった賃料などの損害賠償請求を受ける可能性があります。
売買の基礎知識1-1『不動産購入の流れ』