1-7 民法上の賃貸借契約(建物所有目的以外の土地賃貸借)

民法上の賃貸借契約(建物所有目的以外の土地賃貸借)とは、建物を建設する目的のない土地の賃貸借契約です。

たとえば、『資材置き場』、『ソーラーパネルの設置用地』、『青空駐車場』等の目的で土地の賃貸借契約を行う場合、特別法である借地借家法の適用がなく、民法601条〜622条の2が適用されることになります。

民法上の賃貸借

契約期間について

長期については、50年を超えることが出来ませんので、50年より長い期間を定めても、50年になります。(民法604条
短期については、制限がありませんので、契約通りになります。

建物の賃貸借契約や、建物を建設する目的の土地の賃貸借契約は、借地借家法の適用を受けますので、民法の規定とは異なりますので注意してください。

契約様式について

民法上の賃貸借契約は必ずしも書面を必要としませんので、口頭の約束でも成立します。(民法601条

電子契約(オンライン契約)も可能です。

契約期間中の中途解約について

契約期間内は賃貸人からも、賃借人からも原則として解約できません。ただし、賃貸借契約に特約があれば、それに従うことになります。
期間の定めのない賃貸借契約の場合、土地の場合は、解約の申し入れから1年。建物の場合は3か月で終了します。(民法617条
民法上の賃貸借では解約に際して正当事由は不要です。

なお、借地借家法の適用を受ける賃貸借契約では民法上の規定とは異なる規定がありますので、そちらの法令に従うことになります。

期間満了時の更新について

賃貸借契約を更新するも、更新しないも、当事者の合意次第です。

第三者への対抗要件について

売買などにより所有者が変更した場合、賃借権を対抗できるかどうかについて。

賃借権の登記が対抗要件になります。(民法605条
賃借権登記をしていない場合、地主が当該土地を第三者に売却した場合には、購入者に賃借権を対抗することが出来なくなります。

なお、借地借家法の適用を受ける賃貸借契約では、借地人が所有する建物の登記を要件として土地賃借権の対抗力を(借地借家法10条1項)、建物の引渡を要件として建物賃借件の対抗力が(借地借家法31条)認められています。

民法の規定

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