2-8 借地に関する承諾料(増改築承諾料・建て替え承諾料・条件承諾料・譲渡承諾料・転貸承諾料)の相場

承諾料

借地に関する承諾料は、法律上の規定ではありませんので、賃貸人によっては発生しないこともありますが、賃貸人が承諾料を主張した場合は、過去の裁判例などから、金額を算出し、賃貸人と賃借人で合意する必要があるでしょう。

賃貸人の主張が暴利行為で、合意が出来ない場合、賃借人としては裁判所に判断を求めるという手もあります。

建物増改築承諾料(建て替え承諾料)の相場

増改築承諾料は、借地人が借地条件の変更を伴わない範囲で、借地上の建物を増改築(増築または改築)する際に、借地人から地主に対して支払われる承諾料のことです。
借地契約の中に「増改築には地主の承諾が必要」の旨の特約が無い場合は、増改築することは原則として借地人の自由です。

 ・相場は、木造から木造への建て替えで、更地価格の3%程度とする判例が多いようです。

 ・非堅固な建物から、堅固な建物へ建て替える場合は高くなる傾向があります。

 ・増改築後の面積や、利用効率が高くなるようだと、増改築承諾料も3%より高く判断されがちです。

増改築承諾料の合意が出来ない場合

増改築の承諾が地主から得られない場合、借地人の方から裁判を起こすことが出来ます。(借地借家法17条第2項

これは借地非訟制度と言われ、裁判所が地主に代わって、増改築の許可を与えてくれるものです。一般的には無条件の許可ではなく、借地人から地主への一定の金銭の給付と引き換えに認められるものです。

契約条件変承諾料の相場

非堅固な建物(木造)から、堅固な建物(鉄筋コンクリート造など)に建て替える際等、借地契約の条件を変更する時に、借地人から地主に対して支払われる承諾料のことです。

 ・非堅固建物から堅固建物への建て替えで、更地価格の10%程度とする裁判例が多いようです。

 ・増改築の面積や、利用効率が高くなる(居宅からマンション等)ようだと、増改築承諾料も高く判断されがちです。

借地権の譲渡(転貸)承諾料の相場

借地人が第三者へ借地上の建物の譲渡する伴って、借地権も譲渡する際に、借地人から地主に対して支払われる承諾料のことです。

 ・裁判になった場合、借地権価格の10%程度(建物価格は含まない)が圧倒的に多いです。

 ・諸般の事情(生前相続、連続しての譲渡)により、低くなる場合があります。

 ・借地権転貸の場合は、転借地権価格を算出し、その10%になることが多いようです。

なお、借地権譲渡承諾料の授受を経て、借地権付建物の売買契約が締結された場合、仮にその後、当該借地権付建物売買契約が解除されたとしても、売主は土地所有者に対して、借地権譲渡承諾料の返還を求めることは出来ないとの判例があります。(東京地裁R1.11.27)

借地権の譲渡承諾料の合意が出来ない場合

借地権の譲渡の承諾が地主から得られない場合、借地人の方から裁判を起こすことが出来ます。(借地借家法19条第1項

これは借地非訟制度と言われ、裁判所が地主に代わって、借地権譲渡の許可を与えてくれるものです。一般的には無条件の許可ではなく、借地人から地主への一定の金銭の給付と引き換えに認められるものです。

借地借家法の規定について

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