1-4 定期借地契約の基礎知識

定期借地契約とは

定期借地契約は、建物の建築を目的とする土地の賃貸借契約の一つです。借地借家法 第22条〜24条に規定があります。

普通借地契約との大きな違いは、最初に合意した賃借期間が満了した時に、確定的に契約が終了する点です。普通借地契約の場合、借地期間が満了しても借地人が借り続けたいと言えば、地主側に正当事由が備わっていない限り、契約更新せざるを得ません。
そのため、一度貸したが最後、土地を返してもらうことが非常に困難な契約となっています。

一方、定期借地契約の場合は、定められた借地期間が到来した時に確定的に契約が終了するので、地主は正当事由どころか、何の理由も無くても借地契約を終了させることが出来ます。

定期借地契約は、大きく分けると3種類、細かく分けると4種類あります。

定期借地

一般定期借地契約(借地借家法第22条

・契約の存続期間を50年以上とする。

・更新による期間の延長がないことを定めることが出来る。

・存続期間中に建物が滅失し、再築されても、期間の延長がないことを定めることが出来る。

・期間満了時に、借地人が建物の買取を、地主に請求することができないことを定めることが出来る。

 ※契約書の中に上記の各特約を定めておかないと効力を発揮しません。

事業用定期借地契約(その1)(借地借家法第23条2項

・契約存続期間を10年以上30年未満とする。

・更新による期間の延長がない。

・存続期間中に建物が滅失し、再築されても、期間の延長がない。

・期間満了時に借地人が建物の買取を地主に請求することができない。

・専ら、事業の用に供する建物の所有を目的とする。

・契約方式は必ず公正証書による。

事業用定期借地契約(その2)(借地借家法第23条1項

・契約存続期間を30年以上50年未満とする。

・更新による期間の延長がないと定めることが出来る。

・存続期間中に建物が滅失し、再築されても、期間の延長がないことを定めることが出来る。

・期間満了時に借地人が建物の買取を地主に請求することができないことを定めることが出来る。

・専ら、事業の用に供する建物の所有を目的とする。

・契約方式は必ず公正証書による。

 ※専ら事業の用とは、居住用の要素があってはダメということです。そのため、賃貸事業用マンションの建築や、老人ホーム(居住用)の建築を目的とする場合は、事業用定期借地契約を結ぶことが出来ません。
 ※公正証書にしなかった場合、当事者の合意があったとしても、事業用定期借地契約とは認められません。
 ※事業用定期借地契約を締結した後の内容変更については、現況法的な整備がなされていませんので、公正証書にしなくても有効と言われています。ただし、定期借地契約の根幹となる期間の変更については公正証書にすることが望ましいとされています。また公正証書にする場合、強制執行認諾条項を付すことがありますが、変更契約を覚書等で行った場合、その部分については強制執行力が認められません。

建物譲渡特約付借地契約(借地借家法第24条

・借地権を消滅させるために、借地権設定後、30年以上が経過した日に、地主が借地権上にある建物を相当の対価で買い取る旨の特約を結ぶことが出来る。

・契約方式は必ずしも書面でなくても良い。

借地借家法の規定

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