1-6 取り壊し予定建物の賃貸借契約とは?
『取り壊し予定建物の賃貸借契約』とは、将来的に取り壊す予定がある建物を貸す時に利用できる賃貸借契約です。
普通借家契約とは異なり、賃貸人に正当事由が無くても、建物を取り壊す時期が到来した時に、賃貸借契約を終了させることが出来るという特徴があります。
活用方法としては、「敷地の一部に都市計画道路予定されており、数年後には建物を取り壊すことが決まっている場合」、「数年後に定期借地契約の期限が切れるので、建物を取り壊さなければならない場合」等の事情がある場合に、締結することが出来ます。
「建物の築年数が古いから、数年後に取り壊したいと思っている」という、賃貸人の個人的な意思による取り壊し予定があるだけでは、締結することが出来ません。
賃貸借の基礎知識1-1 『普通借家契約の基礎知識』
契約期間の規定について
借地借家法の適用を受けますので、短期については、1年より短い期間を定めた場合は期間のない契約になります。
長期については、特段の制限がありませんので何年でも可能です。また、期限を定めないことも可能です。
契約様式について
民法上、口頭でも契約は成立するとされています。ただし、建物を取り壊す時に賃貸借契約が終了する旨の特約については、書面化する必要があります。(借地借家法第39条2項)
契約の終了について
建物が取り壊される時に終了します。