4-7 賃貸借契約書の内容『ペットに関する特約』
ペット可の賃貸物件であったとしても、無制限にペットの許可が出ているわけではありません。通常は様々な条件を合意することになります。
ペットの種類や数によって、原状回復の特約や、敷金、礼金の額が変わることもあります。後々に言った言わないの争いにならないように、決まったことはきちんと契約書に記載しておくことが肝要です。
ペットの種類
飼育してよいペットの種類や大きさや頭数が制限されていることがあります。
飼っても良いかどうか判断が難しい場合、自分で判断するのではなく、仲介業者を通してしっかりと確認しておきましょう。入居途中から新たなペットを飼い出す場合も同じです。
敷金・礼金の設定について
通常の賃貸借契約より高くなることがあります。また、同じ物件でもペットを飼うか否かで金額が変わることもありますし、ペットの種類や大きさ、数によっても変わることもあります。
原状回復義務について
通常物件の原状回復より、義務が加重される場合があります。
やはりペットを飼うと、臭い等がつきやすくなりますので、消臭費用などを含めたハウスクリーニング費用は高くなります。また、ペットがつけた床やクロスの傷等に対しても、補修が求められる可能性があります。
ペットに関する特約に、賃借人が反した場合
賃借人がペットに関する特約に反したとしても、賃貸人が即時に契約解除を主張するのは難しいと言われています。
過去の判例によれば、賃貸借契約の解除が認められるためには、賃貸人と賃借人の信頼関係が破壊されていることが要件とされていますので、賃貸人は契約違反の是正を求める請求通知などを賃借人に対して行い、それでも改善が見られない場合、賃貸借契約を解除できる可能性が上がります。一度、弁護士に相談してみましょう。
賃借人の立場からすると、即時に賃貸借契約を解除をされないとしても、契約内容に反し続けることは危険です。裁判を起こされた結果、契約解除が認められる可能性もありますし、その際には損害賠償請求も併せて受ける可能性があります。
賃貸借契約に限らず、契約条件は遵守するようにしましょう。