4-1 賃貸借契約書の内容『中途解約特約』

途中解約

期間を定めた賃貸借契約の場合、原則として、賃貸人側からも、賃借人側からも期間途中においての賃貸借契約の解約を主張することは出来ません。

賃貸人には、期間中は物件を貸す義務があり、賃借人には期間中は物件を借りる義務があるからです。しかし、それだと不便なこともあるため、期間途中でも解約が出来るという特約を設けることが一般的です。これが「中途解約特約」と呼ばれるものです。

賃借人からの中途解約について

賃貸借契約書の中で、中途解約の特約を設ければ、それは有効な特約となります。例えば「賃借人は1ヶ月前の通知を行うことで、賃貸借契約を解約出来る」という特約が付された場合、賃借人は、賃貸人(管理会社)に対して1ヶ月前に通知をすれば、賃貸借契約を解約することが可能となります。

居住用の賃貸借契約では、賃借人からの中途解約は1ヶ月前の通知となっていることが多いようですが、常識的な範囲内のものであれば、予告期間を1ヶ月より長くすることも、他の条件をつけることも許容されています。たとえば、「1ヶ月分の賃料を払えば、賃借人はいつでも解約出来る」「賃借人は2ヶ月前に書面による通知をすることで解約できる」などは、有効な特約と考えられます。

中途解約特約が付されていない場合、最初に述べた通り、原則として、賃借人からも賃貸借契約を解約することは出来ません。そのため、最初に契約した期間内は物件を借り続けるか、賃貸人と話し合って、違約金を払うなどして、合意解約するということになります。

賃貸人からの中途解約について

賃貸人からの解約については、特別法である借地借家法第26条第27条第28条第30条で制限を設けられていますので、中途解約の特約を設けたとしても、争った場合、無効になります。

借地借家業法の規定

inserted by FC2 system