4-2 大家が亡くなり、遺産分割協議が完了する前に、賃貸借契約を結ぶ方法

遺産分割協議

賃貸経営をしていた大家が亡くなり、その子供がアパートを相続することになった場合、相続人が複数いると、遺産分割協議が完了するまでに時間がかかり、その間に、新たに物件を借りたいという人が現れることがあります。

遺産分割協議が整う前は、相続財産(アパート)は、相続人全員の共有物になりますので、相続人全員の意思の合致があれば、遺産分割協議前であっても、相続財産を賃貸することは可能です。

このような場合の一般的な方法としては、相続人の中で代表者を一人決めてもらい、他の相続人から、代表者に対して、賃貸借契約の締結権限のある委任状を出してもらうようにし、賃貸借契約書には代表者一人に署名押印してもらいます。

仲介に当たる業者としては、重説で、賃借人に対して、登記名義人(被相続人)と、賃貸人(相続人)が異なっている理由を説明すればOKです。

売買の基礎知識3-1『売買契約書や覚書への署名の仕方

なお、相続人全員の賃貸意思の合致が得られていない場合、もしくは相続人の一部と連絡が取れないような場合において、宅建業者が一部の相続人だけの希望に沿って賃貸借契約の仲介行為を行ってしまうと、後になってトラブルに巻き込まれる可能性がありますので、注意が必要です。

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