3-10 台風によって破損した窓ガラスの交換費用の負担

Q【賃借人】

賃貸アパートの借主です。

賃貸アパートを借りて、半年が経った頃、大型の台風が発生し、暴風で飛んできたゴミで、部屋の窓ガラスが割れてしまいました。その後、管理会社に割れた窓ガラスの交換をお願いしましたが、管理会社からは「台風による破損は貸主に責任がないので、借主の方で費用負担して交換して下さい」と言われました。

天災なので、貸主に責任がないのは分かっていますが、借主にも責任がないと思います。この管理業者の言っていることは本当に正しいのでしょうか?

貸主に窓ガラスを交換してもらうことは出来ないのでしょうか?

窓ガラスの破損
A

賃貸人、賃借人のいずれにも過失がなく、賃貸物件が破損した場合、修繕費用や交換費用を負担するのは、原則として賃貸人となります。そのため、「賃貸人に責任がないから修繕をしない」とする管理会社の言い分は間違っています。

そのため、まずは賃借人に過失があったのかどうかを判断(賃貸人との話し合い)をしていく必要があります。

賃借人に過失があったかどうかの判断

賃借人は、民法400条により、賃貸物件に対する善管注意義(保管義務)を負っています。借りているからといって、賃借人が賃貸物件を好きにしていいわけではなく、賃貸借契約が終了して賃貸物件の明け渡し(引渡し)をするまで、賃借人は善良な管理者の注意をもって、賃貸物件を保存しておかなければならないのです。

本件は台風によるガラスの破損ですが、天災だからといって賃借人に善管注意義務違反がないとは必ずしも言い切れません。もし天気予報などで強い台風の到来を予期していたのであれば、雨戸を閉める等の対策を講じておく必要があったでしょう。もし、そういった対策をしなかったがために、窓ガラスが割れたのであれば、賃借人の過失(善管注意義務違反)と判断される可能性があり、そういった事情がある場合は、賃貸人から窓ガラスの交換費用の負担を求められても仕方がないと言えます。

民法の規定

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