5-6 家賃を請求したら消滅時効を主張された

Q【賃貸人】

アパートの貸主です。

所有するアパートの1室を8万円/月、付属駐車場1万円/月で貸す内容の賃貸借契約を締結してから、10年が経過しました。

最近、預金通帳を確認したところ、賃貸借契約締結時から、今までずっと駐車場の家賃を受領していないことが分かりました。未払いとなっている駐車場の賃貸料1万円×12か月×10年分の120万円を改めて借主に請求することにしましたが、借主からは「もう時効なので払いません」と言われました。

家賃請求に消滅時効があるのでしょうか? もう請求することは出来ないのでしょうか?

時効
A

民法第166条(債権等の消滅時効)により、賃料請求の消滅時効は「権利を行使することができると知ったときから5年」、または「権利を行使することができるようになってから10年」となっています。「権利を行使することができる」というのは、権利を行使するについて法律上の障害がないことを意味していますので、実質5年と考えて良いと思います。

賃料発生から、5年経過したものから順に消滅時効にかかっていきますので、賃借人が消滅時効を援用すると主張する場合は、5年より前の分の未払い賃料は貰うことが出来ません。賃料発生から、5年以内の未払い賃料については、請求することが出来ます。

なお、民法改正前に発生した賃料については、旧民法が、民法改正後に発生した賃料については改正民法の規定が適用されることになります。

賃貸の基礎知識3-1『賃貸借関係の消滅時効

民法の規定について

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