5-8 仮契約・予約契約とは?
『仮契約』とは
不動産の売買において、「仮契約」というものは基本的に存在しません。もし「仮契約」という話が出た場合は、「申し込み」または「予約契約」または「本契約」のいずれかになっていると思われます。
どのケースになっているかによって、無償で売買契約をキャンセル出来るかどうかが決まってきます。
もし不動産業者の担当者が「仮契約だから、自由に解約できますよ」と言うのなら、口頭で聞くだけではなく、どのケースになっているか確認したり、自由に解約できるという一筆をもらっておいた方が良いでしょう。
『申し込み』とは
「申し込み」は一方的な意思表示です。
まだ契約に至っていませんので、原則として違約金を支払うことなくキャンセルすることが出来ます。申し込みの段階では、手付金のやり取りも行われていない筈ですが、買主が申込金を支払っている場合は、原則としてその返還を受けることが出来ます。
『予約契約』とは
「予約契約」とは、民法556条に規定されている、当事者の一方が売買を完結する意思表示をしたときに、売買の効果を発生させるという契約のことです。この意思表示をする権利のことを「予約完結権」と言います。
予約完結権を持つ者(予約権利者)が、予約完結権を行使する旨の意思表示をすれば、相手方の承諾を待つまでもなく、契約が自動的に成立しますが、予約完結権を行使するかどうかは予約権利者の自由です。ただし、予約契約は効果の発生前であっても、拘束力を持つと言われていますので、勝手にキャンセルすることは出来ません。
『本契約』とは
「本契約」とは、読んで字の如く、本当の契約です。仮契約ではなく、売買契約が成立しているため、解約をしようとすれば当然違約金(手付流し、手付倍返し)が発生します。
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