1-5 買付証明書と、その効力

申込書

買い付け証明書とは何か?

不動産取引における『買付証明書』とは、購入希望者が、売主(または仲介業者)に対して、「私は物件を購入する意思があります」という意味あいで提出する書面のことです。

法律に基づいた書面ではありませんので、不動産を購入する時に、必ず提出しなければならないというものではありませんが、結構な頻度で授受が行われる書類となっています。

記載内容に特段の決め事はありませんが、一般的には【売買条件(金額や、その他の条件など)】、【買い付けの申込みの有効期限】、【購入希望者の氏名】等を記載することが多くなっています。

買い付け証明書の効力

『買付証明書』は、購入希望者が売主に対して示す意思表示に過ぎませんので、買主が売主に書類を渡したからといって、直ちに売買契約が成立するという性質のものではありません。
購入希望者はいつでも『買付証明書』で行った意思表示を取り下げることが可能です。

一方の売主は、買付証明書を貰った後であっても、別の購入希望者が現れた場合には、その別の人に不動産を売ってしまうことも可能です。

買い付け証明書の注意点

『買付証明書』は、前述したとおり、ただの意思表示ですが、いたずらに乱発するものではありません。

物件を抑えておくために、「とりあえず」の気持ちで出しておくとか、仲介業者から急かされて出してしまうとか行うと、無用なトラブルに巻き込まれる恐れがあります。

売買契約は成立しないとしても、状況によっては『契約締結上の過失』を問われる可能性があります。

売買の基礎知識2-7『売渡承諾書と、その効力

売買のトラブル事例1-2『買付証明を出した後に、キャンセルすることは出来るか?

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2007年4月掲載 売渡承諾書と買付証明書の効力
福岡高裁H7.6.29 分譲マンション用地の買主業者の契約締結上の過失
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