1-6 申込金・手付金・頭金・内金・中間金とは? その違いは?

申込金

申込金とは

「申込金」または「申込証拠金」という名称で、買主(借主)希望者の交渉順位保全や、購入(賃借)の意思確認をする目的で授受されることがある金銭で、売買(賃貸借)契約が成立する前に授受が行われます。

法律上に規定はありませんし、慣習上も、必ず授受が行われるものではありません。

なお、宅建業法上、「申込金」「預かり金」として扱われるため、宅建業者が売主、または売買、賃貸の仲介業者となっている取引においては、その後、結局、売買(賃貸借)契約が締結されなかった場合には、買主(借主)に返金されるべきお金になります。

宅建業者が関与していない取引においては、当事者間の取り決めが優先されます。

手付金とは

「手付金」とは、民法557条に規定されている金銭で、一般的には売買契約成立と同時に、売主、買主間で授受が行われるお金です。賃貸借契約の場合は、一般的に手付金は発生しません。

売買契約でも、一括決済などの場合、授受が行われないこともあります。

不動産の売買取引では、売買代金の5%~20%くらいが一般的な相場となりますが、宅建業者が売主となる取引を除いて、法律上は、それ以上の額でも、それ以下の額でも問題ありません。

手付金には以下の3種類があります。
『証約手付』:契約の成立を証するための証拠となる。
『解約手付』:相手方が契約の履行に着手するまでの間は、手付放棄、手付倍返しで解除が可能。
『違約手付』:相手方に債務不履行があった時、違約罰として、損害賠償とは別に没収可能。

授受が行われた手付金は、いずれかの性質、または複合した性質を持ちますが、売買契約書に何も記載が無い場合、または宅建業者が売主となる取引の場合は『解約手付』として扱われます。また、宅建業者が売主の時は、手付保全の措置を行った上で、上限が売買代金の2割までとなります。

頭金とは

「頭金」 = 「物件価格」 − 「住宅ローンによる借入金」となります。
何事もなく取引が進んだ場合、前述の「手付金」は「頭金」の一部となります。

内金(中間金)とは

売買契約が成立した後に、売買代金の一部として、買主から売主へ交付される金銭を「内金」または「中間金」または「内入れ金」と言います。

賃貸借契約や、中古住宅の売買契約等では通常発生しませんが、一戸建ての新築物件や新築マンション、売買契約から引き渡しまでの期間が長い不動産を買う場合については、「内金」が発生する場合があります。

また、建築が絡む物件の場合、契約時・着工時・竣工時・引渡時など、出来高で支払発生があるケースもあります。

民法の規定

宅建業法の規定

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