4-3 売買契約書の内容「ローン特約(融資特約)」

住宅ローン

不動産を購入する時、金融機関で住宅ローンを組む人が大半ですが、必ずしも銀行がお金を貸してくれるとは限りません。「借りる人の年収」、「他に借り入れが有るかどうか」、「就職してからの年数」、「信用情報に傷がないか」など、様々な理由で、住宅ローンの申込みを拒否されることがあります。

住宅ローンが下りなければ、当然、売買代金を支払うことが出来ないわけですが、だからといって直ちに売買契約が無効になるわけではないことに注意が必要です。

売買契約が無効にならないということは、買主が売買代金を支払う義務も続いているということであり、売買代金が支払えなければ、買主の債務不履行となり、最終的に買主は契約違反として違約金を支払わねばならないことになります。

物件を手に入れることは出来ないのに、違約金だけが発生する。まさに泣きっ面に蜂です。
そのような事態に備えて契約書で取り決めをしておくのが、『ローン特約』です。

一般的なローン特約は、買主が銀行に住宅ローンを申し込み、その住宅ローンが降りなかった場合、売買契約が白紙解約になるというものです。そのため、ローン特約により解約となった場合は、買主が売主に支払った手付金は戻ってきますし、別途の違約金を支払う必要もありません。
また、宅建業者に仲介手数料を支払っていれば、それも戻してもらうことが出来ます。

ローン特約の注意点

(1)ローン解約については、『自動解約型』と、『解約権の留保型』があります。

「期日までにローンが通っていなければ、売買契約は自動で解除となる」というのが自動解約型。「期日までにローンが通っていなければ、買主の意思表示で契約を解除できる」というのが解約権留保型です。

前者は期日までにローンが通らなかったという事実をもって自動的に解除になりますが、後者はローンが通らなかった後に、売主に対して(仲介業者を通して)契約解除の意思表示をして初めて解約になります。
後者の場合は、ローンが通らなかったとしても、親類に借りるなどして、何処からか資金を調達することが出来ればそのまま物件を購入することが出来る一方で、解約の意思表示をしないまま期日が過ぎてしまうと、ローン特約による白紙解約が出来なくなりますので注意が必要です。

(2)ローン特約の期限を守る必要があります。

ローン特約に解除期限が定められている場合、買主は期限を守る必要があります。

買主としては、解除期限に間に合うように、売買契約締結後、速やかにローンの本申し込みをすることが必要になります。売買契約を締結する前に必ず解除期限を確認し、あまりに短い場合は、予め解除期限を延ばしてくれるよう要望を出すことが重要です。

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